2006年07月11日
米ぬかに含まれるがん抑制物質について
米ぬかには、抗がん作用や抗酸化作用の働きを持つさまざまな成分が含まれていることが知られています。
その中でも、特に注目されているのが「IP6(アイピーシックス)」と呼ばれる物質です。
IP6は天然の抗がん物質とも言われていますが、そのIP6について日本のがん研究の第一人者である、石川 隆俊先生(東京大学名誉教授・医学博士)のお話を紹介します。
▽石川隆俊先生のプロフィール
東京大学医学部卒。昭和50年東京大学医学博士学位授与。
癌研究所勤務(研究員、部長)を経て平成元年、東京大学医学部教授。
平成9-11年、東京大学医学部長、評議員。平成12年5月、東京大学名誉教授。
平成12年4月からは、大学評価、学位授与機構教授に就任。
厚生労働省医道審査会委員、文部科学省学術審議会専門委員など兼職。
日本病理学会、日本癌学会、米国癌学会、日本疾患モデル学会、日本色素細胞学会所属、評議員、理事、名誉会員などの役職を勤める。
1998年6月、京都にて「IP6と米の構成成分による疾病の予防」国際シンポジウムをジャムスディン博士とともに開催。
日本におけるガンとIP6研究意の第一人者。
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▽穀物中心の食事ががんを減らしていた
私の専門領域は実験病理学で、その中でも特にガンの発生メカニズムの研究を手がけてきました。
「ガンがなぜ発生するのか、どのような仕組みで増殖していくのか」という研究を続けていく過程で着目したことの一つが、さまざまな食物に含まれる成分が、ガンを抑制する働きを持っているのではないか?と言う点でした。
その中でも特に私自身が興味をひかれ、研究の対象としたのが「IP6」(イノシトール6リン酸/フィチン酸ともいう)だったのです。
IP6という、一般の方には耳慣れないこの物質に注目が集まり始めたのは最近のことで、その先駆けとなったのが米・メリーランド大学のガン研究の第一人者・シャムスデン博士の研究でした。
博士は国別の「大腸がんの増加と食物繊維摂取量」との関連に着目し、食物繊維の中に含まれるイノシトール特にIP6がガンの抑制に大いに寄与するという研究発表をしたのです。
興味深い例をあげると、デンマーク人の大腸がん抑制に寄与されるとされてきた「食物繊維摂取量」は、お隣の国フィンランド人の約2倍なのですが、なんと大腸がんの発生率はフィンランド人の方がデンマーク人の半分なのです。
この奇妙な現象について研究を続けた博士は、フィンランド人の食生活が「穀物中心」であり、ガン抑制の主役が実は食物繊維そのものではなく、穀物繊維に含まれるIP6であること、穀物繊維中心の食事がガンを減らしていたといった研究結果を発表しました。
これが IP6という物質に世界中のガン研究者の注目が集まるきっかけでした。
▽穀物外皮に含まれているIP6のさまざまな働き
このIP6という物質は、イノシトールというブドウ糖に類似した糖にリン酸が6個結合したもので、結合するリンの数によってイノシトール一リン酸から六リン酸まであります。
イノシトール自身は私たちの体内にも広く存在していて、細胞の生存に不可欠な必須栄養素であり、細胞内で化学的に情報を伝達するなど、さまざまな生体機能を支える重要な物質なのです。

自然界では、IP6はお米や麦などの穀物・豆類の、主として外皮の部分に多く含まれています。
日本人には馴染み深いお米の場合も、白米になる胚乳部分ではなく、種皮などの、普段食用にしない「米ぬか層」の中に、全体の2-3%程度のIP6が含まれます。(図1参照)
自然状態で、種は発芽するまで地中で長期間を過ごしますが、この間に胚乳を保護・保存するために、穀物の種皮には多くのIP6が含まれていると考えられるのです。
このIP6が私たちの体にもたらす効果については、
① ガンや動脈硬化などの病変を引き起こす「フリーラジカル」の生成を阻止する抗酸化作用
② ガン細胞の発生と増殖の抑制作用
③ 血中コレステロール値の低減化、血液の凝固を抑制する血小板凝集阻止能
④ 腎臓結石などの結石の元となる不要なカルシウムの除去作用
といった、主要な作用だけでも実に広範囲な効果が世界中の研究者によって確認・報告されています。
▽今、注目されるIP6のがん抑制効果
もう少し詳しくIP6のもたらす作用について説明しますと、まず、①に挙げた活性酸素の除去作用についてですが、人間にとって酸素が体内でもたらす酸化作用(エネルギーを造る作用)は生命維持に欠かすことができないものである、ということは皆さんもご存知のとおりです。
しかし時として、「他の物質と非常に反応しやすい不安定な分子」を作り出してしまうことがあります。
これを「フリーラジカル」と呼び、スーパーオキシドラジカル、ヒドロキシラジカルなどが知られています。
こうしたフリーラジカルは人間の設計図といわれるDNAや細胞を酸化させることを裏付け、ガンや血管の病変を作り出す原因となっています。
人の細胞内でエネルギーを作り出す時に起こる反応(「過酸化水素」が微量の「鉄」の分子と反応し、有害なフリーラジカルの「水酸基」が発生する)過程において、IP6は鉄の分子を取り込み、有害な水酸基になるのを阻止してくれるのです(図2参照)。

このIP6の抗酸化作用は、他の抗酸化物質に比べてもかなり強力であることが実験で証明されています。
次に、②で挙げたガン細胞の発生と増殖の抑制効果です。これこそIP6の最も注目される効果だと思うのですが、IP6は動物実験などからガンになった細胞の細胞分裂を選択的に抑えるという効果を示したのです。
詳細なメカニズムについては省略しますが、がん細胞というのは、元来正常な細胞がいろいろな要因でガン化したものです。
IP6がそのガン化し始めたばかりの「がん細胞」に取り込まれると、発ガン細胞内のカルシウム濃度が上がり、ガン細胞の増殖を抑制してガン細胞を大きくしない(制ガン効果)という、驚くような働きをすることが明らかになってきました。
また、人間には、遺伝子に傷がつきガンになりやすくなった細胞が、次世代に遺伝していくのを防ぐ役割を持った「ガン抑制遺伝子P53」遺伝子が組み込まれています。
IP6はこの「ガン抑制遺伝子P53」を人体が生成する能力を最大約7倍に増強する、という実験報告もあります。
このように、IP6の「人体の持つ本来のガン防御機能を向上させる働き」に注目が集まっています。

▽IP6に期待されるがんの治療効果
このガン発生の抑制効果は、シャムスディン博士によって確認された大腸がんを始め、私の研究では皮膚ガンに対して、また乳ガンや肺ガン、肝ガンなどの発生にも抑制効果があるという報告がなされるなど、実に多くのガンの発生を抑制する作用を持っています(表Ⅰ参照)。
さらに驚異的なのは「進行ガンの増殖を抑える働き」が、まだ動物実験の段階ですが証明されたという点です。
IP6は発生したばかりのガン細胞に対して増殖を抑制するだけでなくて、進行したガン細胞のもつ侵略的で旺盛な増殖力をも抑え込み、あたかも正常細胞のような性質の細胞に変えてしまうという、驚くような働きを持つことも最近分かってきたのです。
副作用の心配がなく、前述の抗酸化作用がもたらすガン発生を未然に防ぐという「予防」の働きが期待できるとして、IP6は世界各国の専門家からも大いに注目されています。
生活習慣病への予防効果も期待できるIP6は③に挙げた血中のコレステロール値の低下や血小板凝集阻止能というのは、いわゆる生活習慣病と呼ばれている動脈硬化や心筋梗塞といった心臓血管系の病変や、血栓症などの病変を予防する働きとお考え下さい。
特に血小板凝集阻止能というのは、血をさらさらの状態にしてくれるということです。
IP6は、血小板という血液の成分が血管内で固まって血栓となり、血管を塞いでしまうのを抑制するという作用を持つことが分かっています。
また、IP6は腎臓結石の原因となる不要なカルシュウム結晶の生成を抑えるとともに、蓄積した不要なカルシウムを溶解し、尿と一緒に排出するという作用も確認されています。
IP6の有用性が明らかになってきたなは最近のことなのですが、今までお話してきた作用以外にも、IP6の持つ人体の生体防御機構を強化するという作用により、HIVウイルスによる細胞破壊の抑制などにも期待が寄せられます。今後も研究が進むにつれ、さらに幅広い疾病への、臨床面での応用の可能性が広がっていくことでしょう。
以上は、石川 隆俊先生のお話から抜粋したものです。
また最近では、米ぬかに含まれている【アラビノキシラン】に抗がん作用があることがわかってきました。
アラビノキシランといっても、一般の方には聞きなれない言葉かもしれません。
ところがこのアラビノキシランは、私たちの食卓には以前から馴染み深い食物である米やトウモロコシ、小麦などのイネ科の植物に多く含まれている多糖類(食物繊維:ダイエタリーファイバー)のことなのです。
この成分は、体内で吸収されると、ほかの栄養分の消化吸収を助けるだけでなく、整腸作用、コレステロールの再吸収の阻害、血糖値の上昇抑制など、すぐれた多くの機能を持っています。
アラビノキシランはイネ科の、とくに米ぬかの中に多く含まれていますが、それでも2キログラムの米ぬかから1~3グラムしか取り出すことができません。
よって米ぬかから取り出すアラビノキシランを【米ぬかアラビノキシラン誘導体】と呼んでいます。
ところで、アラビノキシランには確かにすぐれた機能性があることは間違いのない事実ですが、米ぬかをそのまま食べても腸内では消化吸収ができません。
そこでシイタケの菌糸体を培養して、そこから酵素を分離し、それを米ぬかの抽出物に作用させて取り出します。
こうすることで、はじめて分子量が小さくて吸収可能で、生理活性を有する分子構造に変換され、米ぬかアラビノキシラン誘導体となります。
≪中略≫
免疫力を向上させたり、発ガンを抑える食品には、いろいろなものがあります。しかし、がんなどで著しく体力が衰えている人や、その他の難病で免疫力が低下している場合、十分な食品摂取は不可能であり、それだけではとても追いつくものではありません。
こんな時、すぐれた免疫向上成分で吸収されやすい米ぬかアラビノキシラン誘導体を経口摂取すれば、大きな治療効果をもたらすことはいうまでもありません。
私(大森 隆史医師)は、これまで多くの機能性食品をがんやその他の難病治療に用いてきましたが、この米ぬかアラビノキシラン誘導体では、優秀な改善例をいくつも目の当たりにすることができました。
すでにアメリカなどでは、免疫サプリメントとしてはトップクラスと位置づけられています。
≪以下略≫
(アラビノキシランについては、『ガンを抑え込むデュアルアタック療法 「米ぬかアラビノキシラン誘導体」&「サメ抽出脂質」』:大森 隆史著[銀座サンエスペロ大森クリニック院長] 現代書林より抜粋しています)
残念ながら、米ぬかに含まれるアラビノキシランは食べるだけでは消化吸収されないとのことですが、いずれにしても【米ぬか】にはアラビノキシランだけではなく、豊富なビタミンB群などがたっぷりと含まれており、健康に良いことは間違いのない、そして誰もが認めるところですね。
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